惜しくも芥川賞を逃してしまいました『百の夜は跳ねて』。
皆さん、古市憲寿は好きですか?私は結構好きな方です。
古市が好きな人も苦手な人もどうでもいい人にも、この『百の夜は跳ねて』の良さを知ってほしくてこの記事を書きました。「なんであいつしょっちゅう芥川賞にノミネートされてるんだよ」って思っている人は、その理由が少しわかるかもしれません。
ポイント1:タイトルがいい
『百の夜は跳ねて』ですよ。ドキッとしました。古市の中にこんな感受性が溢れているんだと思うとゾクゾクします。もしかしたらこれは中年女性特有の気持ちかもしれません。
私はこのタイトルを見て「ああー、これは芥川賞だわ」と思いました。タイトルって大事ですよね。ダサいタイトルの本にお金払いたくないですもん。
ポイント2:書き出しがかっこいい
いきなりです。いきなり書き出しがタイトルを超えるカッコよさだったので正直驚きました。実は、古市は天才なんじゃないかと思ってしまった書き出しはこちらです。
そこで生まれてはいけないし、死んではいけない。そんな島があるって知ってるか。
なにこれ。正直そう思いました。中二病魂をくすぐるような文章じゃないですか。川谷絵音あたりに曲をつけてほしいです。ここだけを試し読みして、即買いしました。
ポイント3:いちいちかっこいい
後半にこんな言葉があります。
本当は頭なんてぶつけていないんでしょう。血なんて出ていないんでしょう。でもいいのよ。あなたが知る誰かの経験はあなたの経験でもあるの。
痛かったのね。驚かせたのね。滑稽だったのね。それはあなたの出来事よ。
こんな深く優しい言葉を、古市はどこから得たのでしょう。彼の周りにいる誰かがこんな素敵な言葉を発したのでしょうか。こんな言葉に出会いたくて、私は本を読んでいるんだと思います。もう古市、抱いて。
ポイント4:短い
104ページですよ、あっという間に読み終わってしまいます。夏休みの宿題で本を10冊読まなくてはいけない子供たちはこの本を読むといいよ。(ただし最初に18禁シーンがあるけど)
サクッと読めて余韻が残る良小作品です。
古市を食わず嫌いな方にぜひ読んで欲しいです。古市の見方が変わるかも。