先日、桜咲き始めの金沢に出張へ行きました。
空き時間が2時間あったのでポカポカ陽気の中、兼六園へ向かいました。
ところが! 兼六園の入場券売り場に長蛇の列ができてるんですよ!!
2時間しかないのに、こんなところでロスしたくないのに!と思いながら向かいを見るとなんだかとんでもなく素敵な建物が。
静かだし、きれいだし、近づいてみました。
じゃーん!!
なんと金沢地方裁判所!
裁判所ってことは一般人も自由に入れますね。兼六園を後にして裁判所へ入ってみました。
金沢地方裁判所には金属探知機が無い
どこが正面玄関かも分からず、一番近くの扉から入ります。どこにも人がいないので、ダンジョンを歩いている気分になります。
兼六園を背にしばらく歩くと、守衛さんがいるエリアに着きました。つまりここが裁判所のフロントかと思われます。東京地方裁判所だとここにたどり着くまでに金属探知機をくぐるのですが、ノーガードで到着してしまいました。どうしよう、ありえないんだけど。なんだか落ち着きません。
離れたベンチには刑務官らしき方々が6名ほど、疲れた様子で座っていました。東京地方裁判所では絶対にお目にかかれない様子で少々興奮しました。
開廷表は紙で2冊
本日の公判予定が記載されている開廷表にありつけました。紙で2冊。
東京の開廷表は少し前にタッチパネル式に変わりました。台数も結構ありますがいつも混雑しています。こちらは紙で2冊しかありませんが見ているのは私だけなので十分です。
時間が限られているので見られる裁判は1つしかありませんでした。ノートを取り出して法廷番号などをメモり始めたところ、守衛さんから「記者さんですか?」と声をかけられました。「いえ、一般人です」と返答すると、「なんだ、メモするんだもんー」と守衛さんが笑顔で話しかけてくれました。
どこもかしこもきれい
東京地方裁判所は年季の入った建物で、それはそれで重圧感がありますが、金沢地方裁判所はどこもかしこも近代的できれいで逆に緊張感があります。こんなにきれいなんだからもっとたくさん裁判やればいいのに…。
法廷内は東京と変わりがないようで、傍聴席には証人が1名、傍聴が3名座っていました。やっと裁判所っぽくなってきました。
通訳付きの裁判を初傍聴
さて、裁判の内容は「金沢在住のフランス人が自宅で大麻所持」というもの。
大麻所持で3時間の裁判って長いなーと思ったら、一語一句すべて通訳していました。そりゃあ時間かかるよ。傍聴時間が限られているのでこれは痛いです。そんな裁判なのに証拠書類に誤りがあって訂正して、それをまた通訳したりで、えらい時間がかかっていました。バスに乗る時間が迫っているのに…。
大麻初めて見た
検察官が「被告人に確認してもらいたいのですが」といって小袋を机の上に並べ始めました。大麻です。すごくたくさんありました。
検察官「これはあなたのもので間違いないですね」
被告人「ウィ」(フランス語)
検察官「これは裁判の後こちらで処分していいですか」
被告人「ウィ」(フランス語)
検察官「もう必要ないものですか」
被告人「ウィ」(フランス語)
なんだかとても貴重な光景を拝見しました。桜咲く兼六園より裁判所を選んで正解だったと思いました。その後やっと証人として、被告人の奥様が証言を始めましたが、残念なことに私は時間切れで退廷しました。被告人には3人の子供がいて、みんなお父さんが大好きで、離婚はしないつもりですと仰っているけど、子供たちのことを考えると心が痛みます。小松空港へ向かいながらそんなことを考えました。
まとめ:金沢地方裁判所はかなり良いよ
また金沢に出張があったら傍聴したいと思います。ベンチもあるし、屋内だし、トイレもきれいだし、なんでみんな来ないのかな。
出張の合間時間の使い方としても傍聴はかなりおすすめです。また機会があれば他の地方裁判所も行ってみたいです。